お客様から連絡があったのは昨年のことでした。
三条の時代からご贔屓頂いていたお客様からインスタで画像と共にメッセージが来ました。
「通販で11年前に購入したアジアンチェアなのですが、
昨日、大学生の長男がアームに腰掛け盛大に破壊してくれました。
貴店の商品でなくても、修理をお願いすることは可能でしょうか?」
弊社でも同じ形のベンチを扱っておりましたので、何とかお力になるべく、引取りに参りました。
写真で全容は見ていたものの、いざ目の前にすると
結構な破壊力です(^^;)
修理のご依頼にまったく同じ状態、状況のものはないとは言え、
これはかなりのレア事案です。
ここまで完全に折れてしまったら、ショックだろうなぁ…とやってしまった息子さんのこともちょっと想像してしまいました。
さて、どんな風に直せばいいんだろう….
と一抹の不安を抱きつつ、そんな素振りはまったくにじませずに、ひたすら作業に没頭し、思いを巡らせているところです。
まずは、フレーム修理の為に、座面の半分を剥いでいきます。
またやられました(笑)
取材するまもなく、元の形にもどってるじゃないですかっ(笑)
破損がひどかったので、部品を一から成形するべきかとも考えましたが、
どうやら、元の部品をしっかりと修復できたようです。
接着部の強度を出すため、骨を埋め込んでいます。
フレームの塗装も終わり、いよいよ仕上げです。
革もしっかり磨いて、艶がでるだけでシャンとします。
お預かりした時に「革の落書きは思い出なので消したくない」と仰っていたお客様。
きっとお子様が小さい時に落書きされたのでしょう。いっぱい思い出が詰まった大事な椅子なんだな…と思います。
傷や染み、他人にはわからないその時の想い出が家具には宿ります。
長年使ってきた証をそのままいかして使いたい、
いくら壊れても、直して使い続けたいという気持ちが修理する我々に伝わると俄然意欲が湧くってなもんです(笑)
新品やんっ!!は言い過ぎですが、(笑)
どこが壊れていたのかわからないくらいに美しく完成いたしました。
また、ご家族といっしょに年を刻み、新しい思い出を作って頂けるとうれしいです。
おまけ…
お客様がインスタに喜びの声をアップして下さいました。
使用許可を頂きましたので、掲載させていただきます。
さらに、帰ってきた椅子を息子さんに報告されたところ、
『息子(犯人)が、これくらいびっくりしていました♡
愛情あふれるプロのお仕事を、本当にありがとうございました!
生まれ変わったチェアちゃん✨大事に使います。』
とお客様からご報告頂きました(笑)
さらに
『お修理をご依頼する勇気がでたきっかけは壊れてすぐにArtifact3D様のHPを検索で探して、ブログの修理ページへ辿り着き、「あきらめないで!」の記事を拝読したのがきっかけでした。』
と、コメント頂きました。
壊れても、まず「修理」という選択肢を頭の片隅に残してください。
家具修理ご相談いつでも承ります。
京都 二条 アーティファクトスリーディー
TEL 075-812-5076 水曜定休
弊社オリジナル家具以外にも他社製、アンティークもご相談ください。
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