使わないけど、捨てられない。捨てたくないけど、使わない。
思い入れのある家具や道具は結構あるものです。
どうせ持ち続けるなら使ってあげる方が絶対いいですよね。
今回のご依頼は、常連のH様から、
3Dに展示していたある商品を見て、うちにあるあれも….という「ひらめき」からのご相談でした。
想像力と創造力
H様が店内でインスピレーションを受けられたのはこちら。
そう、火鉢です。陶製の火鉢の上にガラス天板を置き、テーブル使いしています。中には灰ではなく、庭造りなどでも使う白砂を入れ、ランプで照らしています。
実際この子は「なるほど、こんな風に使えばいいんやね」と見ておられるお客様も多いのですが、H様は単にこの形をそのまま真似したいということではなく、「うちにある火鉢がうまく加工できるか見て欲しい」というご依頼でした。いつもいろんな角度で商品を見ておられる想像力豊かなお客様です。
その方のおうちには近日中に納品でお伺いすることが決まっていたので、「その時に見せて頂きますね」というお約束をしました。
火鉢のリメイク加工
いつものことながら、加工前の撮影などすっかり忘れ、早速加工に手を付けてしまった為、同タイプと思われる火鉢の画像を拝借し参考に掲載します。
立派な黒檀でできた火鉢、上に天板を乗せてテーブルにというご依頼。
先にご依頼を受け、修理納品したアンティークソファに合わせて使いたいとのことでした。
かろうじて、加工途中の画像が1枚残っていました。(笑)
既に天板が乗せられている状態ですが、参考画像でもわかるように、天板を乗せる為には、上部のデコボコを取っ払い、面出しをしなければなりません。
ここがまず厄介で、簡単に切ってしまえるものではありませんでした。
手を加えるごとにボロボロと破壊されていく….古い家具なので、それはそれは慎重に、丁寧に….。
その後も、あれやらこれやらと加工が進み…..
結局のところ出来上がり写真しかありませんが、ご覧ください。
魅惑の変身~~~♪
天板には木目も美しく和の香りがする欅を使用。木口は面取り加工し、色合わせもして、素敵なテーブルに仕上がりました!
もともと上に物を乗せる構造ではないので、補強の為に土台の脚をつくり、ソファに合わせる丁度いい高さに。ソファには真鍮キャスターが付いていたので、同じく真鍮キャスターを取り付け、意匠を合わせることでよりセット感もでました。移動もらくらくですしね。
火鉢として使用することはないので、灰壺部分は綺麗にして、収納スペースとして使えるように、天板は開閉式に仕上げました。
天板とボディはヒンジでつなぎ、落ちないように。
ついついテーブルの上に置きっぱなしになりそうなものもすっきり片付きますね。
銅板でできた灰壺の底面にはクッション材としてフェルトを張りました。右側のスペースは桐でできていて、補修をし、そのまま活かしました。傷んでいた蓋にはかわいい真鍮のつまみを取り付けました。
H様から大まかなご要望をお伺いして、後はほぼお任せ頂いての加工で、少々お時間を頂きましたが、心待ちにしておられたH様も見るなり「きゃーっ!」という歓喜の声、大変喜んで頂きました。
自信をもってお作りするものの、お客様に見ていただくまではやはり不安。この笑顔で苦労も吹き飛びます。
その時その時代の必要なものに形を変えて、使い続けることができるというのはとても理想ですね。
このテーブルもその先また火鉢として形を変えて使う時代がやってくるかもしれません。
家具だけではありませんが、みなさんもいろんな角度で使い続ける方法を考えてみてはいかがでしょうか?
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