捨てる前に…

捨てる前にできること 修理 椅子

10年前に弊店で家具をご購入いただいたというAさんからお電話を頂いた。
大きな一人掛けのソファを2脚。当時人気のあったアートクルー オリジナルのRoll Chair。
手狭になってきたので、手放そうかと思っていて…と
弊社オリジナル家具は「永久買取保証」てのをやっています。
いまやSDGsとかって 少しづつその意識は注目されていますが、
当時はエコという言葉で訴求されはじめていて、もともともったいない気質な私たちにとって、
いらぬ=捨てる という考えにSTOP!
考えてもらえるきっかけになればと始めた取り組みだった。

10年経過すると環境やお住まいの都合などでこういう時がやってくるのは珍しいことではありません。
引き取ってもらえるものなのかどうか….とご不安だったのは
「相当傷みが激しいので、処分するしかないかな…とも思っています」と。
まずは診せていただくことになりましたが、問題はご遠方だということ。
通常はお持ち込みいただくか、京都市内であればお伺いして現物査定をするのですが、
神奈川県からのご依頼で、まずお写真をメールで送っていいただくことにしました。

Rollソファ レザーチェア

パット見た感じ、どこが?って思うところですが、誠実なお客様で、傷んでいるところを余すことなく撮影していただき、2台の椅子で全20カットの画像をお送りいただきました。一部を紹介します。

右アーム部分
脚元 前方貫部分
左アーム部分

横から見るとアームの下側もかなりの傷があるようですね。

10年間ご愛用頂いていれば傷んで当然なのですが、それに加えて、1年前に保護犬を受け入れられたこともあって、かなりのダメージがあるとのことでした。なるほど、座面革部分のダメージよりも、木部の傷はかなり深そう。
正直なところ査定価格を提示するのはとても難しい状態でした。
お客様も処分するくらいなら…とお声掛け頂いたのですが、なんせ運送料が結構かかることが悩みの種でした。

捨てるにもお金がかかるこの時代、モノを大事にしたいというA様の思い、使う側の責任と私たち製造、販売側の責任、総合的に考えて折り合いを付けました。

そしてアートクルーに戻ってきた椅子、さっそくお手入れしました。

削って削って削り倒したので、アームは少し細くなりましたが、ほとんどの傷がなくなりました。

少し残った傷も、長年の風格として、逆に好印象です。

目立った傷みのリペアはもちろん、そのほか問題がある部分もすべてメンテナンスし、完成です。
あとは、売り場に展示して、次に使っていただける方を待つのみ。

生活環境が変わる春、模様替えや引っ越しなどで今まで使ってきた家具をどうするか…考えるタイミングがやってくる方も多いのではないでしょうか?
断捨離の方法は捨てるだけではありません。
捨てる前にできること、ぜひ考えてください。

 

家具修理、買取のご相談
京都二条 アーティファクトスリーディー
075-812-5076 水曜定休
お持ち込みの際はお電話にてご予約ください。

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