箪笥の数え方に秘められた意味

和箪笥 一棹 漆塗り 朱塗り 箪笥 メンテナンス 修理

一本で~もにんじん。

二足で~もサンダル。

三艘で~もヨット。

四粒で~もごま塩~♪

いきなり失礼しました。
みなさんはたんすの数え方ご存知ですか?
1台?1本?どちらも間違いではないのですが、 1棹(ひとさお)と数えます。

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只今お手入れ中のこの箪笥は、3D店内の奥の方にひっそりとして在庫していたものなのですが、先日お客様に見初められ、割れてるとこやらダメな部分をメンテ中でございます。

さて、箪笥の数え方、たしか80年代の頃、ザ・ベストテンで、大川栄作の特技が「箪笥を担ぐ事」っていう斬新なネタ披露の時、この箪笥の数え方を覚えたのを記憶しています…。古っ古すぎる。
40代以上の方はわかるかもですが(笑)

で、なんで一棹、二棹と数えるのか….ですが、

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せっかちなあなたに答えから。
ここに竿を通して、運んでいたから!です。

もっと知りたいって方は以下をお読みください。

起源をたどると、その昔、収納には長持と言われる長い箱が使われていました。
江戸初期にはその長持に車をつけた車長持が主流となり、火事の多い江戸では家財道具を長持に入れて、持ち出していました。
1657年「明暦の大火」と呼ばれる江戸の大半を焼いたという大火事の時、皆が一斉にこの車長持を持ち出した為、路地がふさがれ、多くの方が逃げ遅れ、大惨事になったことをきっかけに、車長持の製造が禁止されたと言われています。

その後、竿を通して運ぶ形の長持に変化し、箪笥が普及してからも、この構造は引き継がれ、数え方に繋がったと言われています。

江戸の火事から箪笥の数え方につながるとは、なんだか壮大です。

そして、この部品ひとつが江戸時代の経験からくる知恵だと思うと、ちょっと感慨深かったり。

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そして、ひそかに引出についている鍵穴のハート型に顔がほころびます。

さて、仕上がりまでもう少し。
今しばらくお待ちくださいね~。

 

五台でもロケット

六羽でもシチメンチョウ

七匹でもハチ

八頭でもクジラ

九杯でもジュース

十個でもイチゴ!!♪

数え方が面白いって小さい頃から歌で学んでたんだな~とふと思い出しました。

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