アンティークチェアの再生・リメイクの巻

アンティークチェア再生 座面

フランスアンティークチェアの再生です。
縁あってうちにやってきましたが、見て頂いてわかるように相当の傷み具合ですね。
経年劣化による激しい傷みです。
ちなみにこれは椅子を裏返しにした状態です。
掘り返すと中の緩衝材は馬毛が使用されていました。
馬毛は半永久的に使える素材なので、丁寧に取り出し、再利用することにしました。

ひとつずつ釘を抜いて、張り込まれた破れたクロスをめくっていきます。

地味ですが、実はここが椅子の修理で一番手間がかかって大変と言っても過言ではありません。

何事も基礎が大切です。

フランスアンティークチェア解体 修理 リメイク

全てめくり終えた椅子は接合部の接着剤も劣化し、全体にぐらつきがある為、本体自体も全部バラバラに解体します。

接合部に残る、古い接着剤を綺麗に取り除き、ホゾ部の再生、修正後、再度本体を組みなおします。

ほほ~椅子のフレームはこれだけの部品でできているんですね。

改めて見ると美しいフォルムです。

再び椅子の形が蘇りました。
写真ではわかりにくいですが、座面木枠等にはさらに補強材を追加しています。

木部全体を研磨し、使い込まれた風合いを残しつつ、再塗装します。

フランスアンティークチェア再生 リメイク
フランスアンティークチェア 再生 リメイク

アームが急になくなったわけではありません(笑)

これは同じ椅子のノーアームタイプ。同時進行で修理しています。

コイルバネを支えるウェービングテープを座面底に張り、麻糸でコイルを固定。これもまた難しい作業です。

次に麻布をかぶせて、その上に馬毛を詰めて再度麻布をかぶせ、針を使って麻糸で座面の形に縫製します。

下張をしたうえに綿(わた)をのせ、最後にこの椅子のイメージに合った布を選び、上張りをしていきます。

ちなみに下張に使用した麻布はお向かいのクランプコーヒーさんに分けて頂いたコーヒー豆の入っていた、ドンゴロス。これは丈夫で下張にはぴったりです。

さぁ、いよいよ完成間近の工程となりました。

フランスアンティークチェア リメイク 再生

完成~!

フランスアンティーク再生 リメイク 完成

今回はお陰様で、早々に見初められ、嫁いでいきました。
ありがとうございました。

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