
いらないものを削ぎ落としたシンプルなローテーブルです。
12年ほど前、定番家具ではなく、ある企画品として、数台作ったレアなテーブルが数台戻ってきたので、早速メンテナンス。
レギュラーアイテムにはならなかったものの、くせのないデザインはコーディネート次第でいろんなシーンで活躍するので、ユーズドのお値打ち価格も相まって、早々に数台テンポよく売れております。
今回のこのテーブルがいつも以上にお値段を安く出来たのには理由があります。
天板を合板にしたところ。
無垢材の特性でもある割れ反りは、用途によっては単純に問題児でしかない場合もあります。無垢の味を諦めれば、合板は狂いがほぼない為、ゆがみの心配がない。さらにお値段がいつも以上にやさしい。
家具は価格が100%?
家具選びの条件、素材、デザイン(見た目)、価格 どれもはずせません。
安けりゃいいという人ももちろんいらっしゃるでしょうが、
アートクルーの家具が愛されるのは、どれかを突出させていないところだと思っています。これは特徴がない のとはまた違います。
この話は永くなるので、また別の機会に。
足下に真鍮のキャスターを使ったのは、単純に安っぽい量産家具のようにしたくなかったところ。真鍮キャスターを付けたことによって重厚感のある無垢材家具に引けをとりません。
ドラマのタイトルを借りると、「人は見た目が100%」だとかなんとか…
家具は見た目が100% とは言いませんが、やっぱり見た目もとっても大事です。
おっと、今回は単純に家具の紹介じゃありません!
実は先日この家具をお客様にお届した際に、何がどうなったのか、大きく破損して、お届されてしまったこと。
某配送会社さんに依頼して届けてもらったのですが、フレームが完全にやられてしまって….戻ってきました。(涙)いったい何があったんだ!!!
が、その写真撮り忘れました….(;_;)
天板と脚が完全にバキっと でした。
どうあれ、一旦壊れてしまったもの、しっかり修理しますと言ってもお客様にとっては不安が残ります。
見た目はどうあれ、頑丈に直していただければうれしいとのご依頼。
ん…..わかります。でも、そうは言ってもです。
さんざんにこのシンプルなデザイン云々とか見た目が….とか言っておきながら、壊れたのをきっかけに、強度を高めるためとは言え、見た目を捨てるってのはどうよ…でしょ。
だってこの形を見て決めて下さってるんですから。
壊れやすいデザインなんでしょ?なんて思われたくないし、使用するに全く問題ないこの形に手を加えるというのはある意味屈辱的なことです。
配送屋さん、慎重に、丁寧に、大事に、注意して運んでいただいているとは思いますが、やっぱりこういう破損が起こるたびに、
信頼を返してほしーーー!と正直思うのです。あ、心の声です。
えっと色々ちょっと大層に言いましたが、
修理は職人の腕の見せ所です。
見た目は諦めてなんて言わずに、見た目100%で行きましょ!(^_-)-☆
そして、試行錯誤、手を変え品を変え、悪戦苦闘….
出来上がったのが、これ!
わかりますか?この小さな三角。
できるだけ全体のデザインを邪魔せぬように攻めました(笑)
ココです。
えぐりました(笑)
見た目の印象にできるだけ問題ないように。
はい。できるだけ攻めました。(笑)
伝わりにくいですが、意地で見た目を維持した感じです(笑)
だじゃれです。
すみません。
モノづくりに、「ま、これでいっか」はありません。
たとえ修理であっても、いや修理だからこそ、
できることは、出来る限りやる。もちろん商売ですから、時間、コストの許す限りという制約は基本ベースにありますが。
今回のような修理は特に、破損から受けたお客様のショックの思考をできるだけプラスに転じることができればと思います。
大きな机、仕舞い込むわけではなく、いつも目につくところにあるわけですからね。
全く関係ありませんが・・・
トラブルが起こるたびに、「四角い仁鶴がまぁるく治めます」 のフレーズが頭をよぎります….。なぜか(笑)
今回の商品はこちらから詳細ご覧いただけます。
Cube Table USED
なお、販売中のテーブルは今回のような補強材がついているわけではありませんので悪しからず。
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